障害者雇用と一般雇用のよくある質問集

Q3. 就職活動の際に、障害者求人枠と一般求人枠で違う点は?

A3.  障害者求人枠への就職活動を行う際に、一般求人枠と大きく違う点は、以下の2つがあります。

 

①「障害特性(障害による作業上の苦手や困難)」と「会社に対して、どのような配慮を求めたいのか」を説明する必要がある
②面接の前後に実習(インターン)があることが多い
①については、面接の際に面接官から聞かれる「障害に関する質問」へ明確に答えられるよう、回答を事前に準備しておくことがポイントです。
②については、入社した後に「こんなはずではなかった」というギャップが起こらないようにすることが目的です。

「実習」と聞くと大変なもののように聞こえてしまいますが、応募する側にとっては「この会社でやっていけそうかを、実際の職場の環境や、仕事内容から判断する機会」であり、会社側にとっては「求められた配慮をしっかり提供できるか、実際の職場で受け入れが出来そうかを判断する機会」となります。実習は、良い仕事環境を実現するための、応募者・企業双方の確認の場ととらえていただくと良いでしょう。

Q4. 障害者求人枠って、「誰でもできるような単純作業」しかないって本当?

A4. 単純作業と言われるような仕事は、求人票では「軽作業」と表記されます。軽作業の求人は、障害者雇用の求人全体の約2割程度です。(ディーキャリア「発達障害を対象とした求人傾向調査」より)

「障害者雇用の仕事」=「誰でもできる単純作業」というイメージを持たれる方は少なくありません。

かつては、「障害への理解」や「障害者雇用の実績」が乏しい企業が多かったことから、障害者雇用された社員にどのような仕事を任せたら良いのかが分からず、「比較的、簡単な作業を任せることしかできない」というケースが多いことがありました。

しかし、近年では企業側の理解が進み、障害の有無にかかわらず「その人の能力や経験を発揮できるポジションや職場環境」を用意する企業が増えてきました。(詳しくは変わりつつある「障害者雇用」への考え方の記事をご参照ください。)

なお、「軽作業」が一概に悪いかというと、そうではありません。例えば次のような業務は、発達障害(とくにASD特性)の特性に配慮した業務だと言われています。

  • 手順が明確=マニュアルなどで手順が可視化されている、自分の業務の見通しを持ちやすい業務
  • シングルタスクの業務(同時並行作業=マルチタスクではない業務)
  • イレギュラー(通常と異なる、突発的なこと)が少ない業務

障害の特性という視点から考えたときに、発達障害のある方(該当する特性のある方)は「定常的な業務(ルーティン)を、毎日コツコツとこなすこと」が向いていると言えます。

もちろん、発達障害と一口に言っても人によって特性(得意・不得意)は異なりますが、「障害の特性を活かした仕事」という意味で、軽作業の求人も一定の割合があるのです。

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